大学では昨今、教室PCを減らして、学生の持ち込みPCを有効利用しようという流れがあります。

コロナ禍により、リモート授業が多く行われ、それに対応するため、学生が必ず1台のパソコンを所有するのが当たり前になってきたのが大きな理由と考えられます。コロナ前は、同一環境(全台同じアプリや環境が整備されたPC)をPC教室に配備し、それを使って授業を行っていました。学生PCに対応するには、いろいろな環境設定のされたPCを使って授業を行うことが必要になってきました。

大学では、One driveやGoogle Driveのストレージを学生ごとに設けたり、ブラウザベースのシステムやVDI環境を整備することにより対応してきました。ここで課題となるのがプリンタデバイスへの接続です。印刷を行うには各学生PCにプリンタドライバをインストールしなければなりません。しかしながら学生ごとにPCの能力、環境が異なるため、ドライバ配布がうまく行かず、職員にヘルプを求める学生が大量に、しかも毎年4月に集中してやってきます。

COSYでは独立したプリントステーションという概念を推奨しています。共用スペースに配置した2台程度のプリンタにWindows11のPCを配置し、PaperCut MFのサーバーソフトウエアを入れてしまい、独立した印刷環境を整備しようというものです。こうすれば以下のような利点があります。

  • WebプリントやMobility Printアプリを利用することにより、面倒なドライバインストール、アップデートなどの手間が省ける
  • 学生は簡単に持込PC(BYOD端末)をプリンタに接続し、印刷出来る
  • 高価なサーバー環境を用意する必要が無い。
  • メーカー問わず、既存のプリンタがそのまま使える(Basicパッケージの場合)
  • 印刷ポイント管理やポイント課金を簡単に実施可能
  • プリンタ機器に異常が発生した場合はメール通知可能
  • プリンタのインク残量やオフライン状態などリモートで確認可能
  • モバイル認証プリント(セキュアプリント)を活用すれば、放置プリントの撲滅も可能
  • 月間使用レポートや各学生のログの記録が可能
  • なんと言っても安価に構築できる。PCにインストールするため、情報センター職員自身がインストールすることも可能。
  • 初期導入時はCOSYへ電話、メールで相談可能

アメリカの大学の事例

アメリカでは10年以上前から教室PCは撤去され、学生持込のPCやMacを活用するインフラへと移行しています。

図書館や、ロビーに設置したプリントエリア(パーティションで囲われたブース)が用意され、学生は印刷が必要な場合、学内Wifiに接続後、印刷を実施し、このプリントエリアでジョブを印刷しています。多くの場合Pay Station 用の機器を設置し、印刷ごとに課金が行われます。